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沸騰石を入れると突沸が防げる理由
液体が気体になることを蒸発と言いますが、
特に液体の表面から気化することを蒸発、
液体の内部から気化が起こる場合を沸騰といい、区別します。
蒸発はどの温度でも起こりますが、
沸騰はある温度(沸点)で
液体の蒸気圧が大気圧と等しくなったときに起こります。
これは沸騰では周りの液体からの圧力(≒大気圧)を押しのける必要があるためです。
この周りの液体を押しのける動作は、
実は最初が一番大変です。
なぜなら少ない粒子で表面積を大きく広げなければならないからです。
風船を膨らますことを考えるとわかりやすいかもしれません。
最初に空気を入れるのって大変ですよね?それと同じです。
なんでも最初にやるには大変なんです。
この ”最初にやるのが大変” であるために
本来状態変化すべき温度でも
最初に状態変化するのに必要なエネルギー障壁を越えられず状態変化しないことがあります。
沸点以上でも沸騰しない場合を過熱、
融点以下でも凝縮しない場合を過冷却といいます。
過熱や過冷却は突然状態変化する可能性があり、危険です。
でも 沸騰石があれば大丈夫!
沸騰石は多孔質の固体で、内部の気泡を核として提供します。
雲も水蒸気が空気中のチリなどを核にして凝縮したものですが、
核があればそれを中心に集まることができるため、
最初に状態変化するための労力(エネルギー)が軽減されます。
これにより突然の沸騰(突沸)を防ぐことができます。

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